2008年08月31日

大学のキャリア支援―実践事例と省察、読了感想

大学のキャリア支援―実践事例と省察 (キャリア形成叢書)

必要に迫られて読んだ本でしたが、最新の研究にこうして触れることができて、非常に参考になりました。

まず序論の上西先生の言葉「今日においては若者の勤労観・職業観が問題にされるが、ではかつての若者が入社前に勤労観・職業観を確立していたかと言えばそうとも言えないだろう」(P.4)で、この本の内容の濃さを感じることができ、論文嫌いの私の心を一気に掴んでくれました。

法政大学キャリアデザイン学部、武蔵野大学の大学生に対するキャリア教育とキャリア支援の事例を中心に展開していますが、このような日本の最先端を行くキャリアの研究者の事例を、有資格者となった我々CDAをはじめとするキャリアカウンセラー、キャリアコンサルタントは、刮目して積極的に拾うべきです。

研究者、キャリアカウンセリングに従事する者、人材関連業者、大学などの教育機関が、真に温かみのある支援を、相互に連携しつつ、かつ毎年毎月毎日変容しながら行うべきである。

私が敬愛する小山昇氏や山近義幸氏は経営者の目で。
本書の上西先生や川喜多先生は研究者の目で。
それぞれ立ち位置は違うものの、若年者に向ける視線はほとんど差がありません(就職活動のテクニックに頼る点を危惧していることなど)。
明解さ(=感覚)では前者、丹念さ(科学的立証)では後者、ということになるでしょう。

私は、現状ではこうしたレベルの高い研究ができる位置にはいませんが、中長期的に腰を据えて、特定集団のキャリア支援を行うのも面白いのではないかと、扉をひとつ通過したような気持ちになる一冊でした。


kojipu1975 at 01:12 │Comments(0)この記事をクリップ!

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